変なことは克明に覚えている
子供の頃、突然母親の知り合いの女性が私のウチにやってきて、
一晩泊めてほしいと着の身着のまま居座ったことがあった。
子供ながらに「痴情のもつれ」だということは察しがついた。
母の知り合いと言っても、それほど親しかったわけではなく
ただ何かの同期くらいではなかったかと思う。
客用の部屋も布団も無いからと、母が言うと
テレビにもたれて寝るから、とゆずらなかった。
子供心に、スゲーと思った。
不気味だったが、
当時からウチに他人が泊まっているのが快感を覚えるタチだったので
内心嬉しかった。
しかし、仕事から帰ってきた父親の
「帰ってくれ」という一言で落着。
タクシーを呼び暗い中、その人は帰っていった。
それ以降、一切その話をしたことはない。
ふと思い出した昭和のすごーく昔の話。