長浜・・・さざなみ古書店に行く。
まえからずっと行きたいと思っていた長浜にある さざなみ古書店に訪問。
以前当館に宿泊された旅人さんに教えていただき以前から気になっていました。
京都の長屋のような建物の奥にこじんまりとした一室に古本屋がある。
声をお掛けすると「こんにちわ」という愛想のいい声。中に入り土門拳や前田信三や河合隼雄の本が目に入る。オーナーの中村さんによると約四年前から福岡から移住してやってこられたということ。せっかくですからということで同じ敷地内の中庭やカワトを案内していただいた。
坪庭にある春紅葉。長浜の古い家にはほとんどの家にあるということ。その中に三月にも赤くなる紅葉は冬の寒さを忘れさせてくれるという。
そしてカワドに案内される。カワドとは長浜市内を流れる運河の船の積み出し口。ここからかつては物資が運ばれたという。
中村さんとお話をしていて感じたことは、サービス精神が旺盛なのにそれが押し付けがましくならないということ。それと話ぶりが大変上品なこと。誤解を恐れずに言えば古書や建物よりもこの店主さんのそれまでの生き様が気になった。
個人商店というのは、結局その店主が扱うものよりもむしろその店主によってその価値が決まると思う。それはすなわちその店主個人の生き様に集約されると思 う。 店主自体が自分の生き様を雄弁に語るのではない、むしろそれは日常の振る舞いから想起されるべきものなのだと思う。
そしてわれわれもそうした目で常に旅人さんから無意識のうち生き様を見られていることも留意しなければならないのだ。